わたしは、早池峰山の麓、遠野の山里の松の森の一番奥に住んでいた虫です。
名前は早池峰松頭四手丸(はやちねまつがしらしてまる)。
長いのでみんなに「まっと(松頭)」と呼ばれていました。よろしくね。
「遠野長寿の郷」の楽しそうな雰囲気にひかれて引っ越してきました。松の森に住んでいたころは「道化師」をやっていて、みんなを笑わせて、楽しい気持ちにさせる仕事をしていました。
松の葉の頭には3つの知恵袋(心・技・体)、2本の足。背中には「水引きハート羽根」があって、空も飛べます。そして手は4本、それぞれの手は、「喜び」「怒り」「哀しみ」「楽しみ」などの喜怒哀楽を担当しています。利用者の方が、泣いていたり、苦しんでいたりすると、4つの手のひらから「お手当て光線」を出して、やさしく癒してしまうという超能力虫でもあります。「お手当て光線」が効かないときは、笑顔の両口元を両手で3回さすって、「魔法のことぶき扇子(センス・感覚)」であおいで、さらに強力な笑いのエネルギーを照射したりもします。
性格は、お調子者。「遠野長寿の郷」に入居している利用者の、日々の暮らしが楽しくなるように、いつでも盛り上げ役です。頼まれれば何でもやっちゃいます。
「何たって手が4本もあるんだもん。わたしは、元気が良くて、生きいきしている、生き物の代表選手になりたいんだ!」と、口癖のように、いつも言っています。
地域のみなさまに愛されながら、利用者の苦しみを癒して喜びを配達する。
やさしくて、ちょっとお茶目な、笑いをふりまく道化師。
これから、いろいろなことを吸収して、どんどん成長していきます。