施設で一番多い事故は外傷やあざ(内出血)。これは当施設に限ったことではなく、全国どこの施設でも共通の課題となっています。高齢者は内出血ができやすいというのはよく知られており、様々な工夫もしていますが、それでも内出血はなくならないので厄介です。
もう一つ課題となるのが介護職員の腰痛です。ベッドやトイレでの移譲介助の際に腰を痛めてしまうことがあります。腰痛防止ベルトを着用していても、腰を痛めてしまう職員はいます。湿布を貼ったり、薬を飲んだりしながら仕事をしている職員もおり、痛みがひどい時には仕事を休んだり、退職せざるを得ない場合もあります。介護の担い手不足の中、そういうことが度々あっては施設を運営できなくなってしまいます。
そんなことから、遠野長寿の郷(拠点)では普段車イス等の福祉用具や介護用品を購入している(株)あかね福祉と介護コンサルティング契約を結び、福祉用具の適切な使用によって、利用者の皆さんがケガをせず、職員も腰痛にならずに安心安全な介護ができるよう指導して頂くことになりました。今回は福祉用具の正しい使い方を学びました。
今回の研修会は同じ内容で全職員を対象に3回開催。また、都合により出席できない職員向けに研修の様子をビデオ撮影して、それを視聴することにしました。
初回は11月25日からスタート 12月2日 12月9日
座位保持が安定している方はスライディングボード 背中を支えて腰を押すと... 軽る~く横に滑って車イスに着座できました
以前から使用しているのですが、多くの職員が相手を少し持ち上げながらボード上を滑らせており、講師に注意をされていました。これでは、利用者さんの脇腹を締め付けたり、自分の腰を痛めてしまう恐れがあります。
座位保持が不安定な方にはフレックスボード 大変好評で購入しました スーッと移乗でき、腰を痛めません
一人で移乗介助する時は、この楽シート 先に頭の方から車イスの背もたれに滑らせ、最後に足の方を滑らせます
欠点は、車イスに座っている間は敷きっぱなしになってしまうことです。その方の専用になってしまい、使い回しができません。
ベッド上での移動にはこのスライドシート 上下左右にスルスル動かせます 立てた膝を押しても動かせます
購入したもののうまく活用できていないリフト。どうしても手間が掛かるという声が多いですが、何とか使いこなせるようにしたいです。